フローリストマイスターの学校って、何を学んでいるの!?
たまには、オットの学校のことを。← いつも言ってる。笑
「フローリストマイスターの学校に通っている」というと、
例えばブーケの作り方やクランツの作り方など
お花の技術を学ぶようにとらえられがちですが、実はちょっと違うのです。
もちろん実技の授業で作品を創ったり、展示会で大きな物を手掛けたりする機会はあります。
ですが、「はい、では今日はみんなでこのブーケの形を作れるようになりましょう!」
というような授業はないのだそうです。
ドイツでマイスター学校に通う人たちは
その前にBerufsschule(職業学校)に通い、Ausbildung(職業訓練)を積んできていて、
皆さん既に「フローリスト」という称号は得ています。
つまり、ブーケを作る技術やクランツ(リース)を作る技術は持っているというわけ。
そのうえで通うのが、フローリストマイスター学校。
日本人の感覚で「マイスター」と聞くと “熟練の技を持った匠” というイメージが強いのですが、
ドイツの「マイスター制度」に基づいて考えると、
マイスターとは、お店を経営できる・後継者を育成できる地位をあらわします。
そのため、学校で学ぶ知識も経営学や、後継者育成のための教育学が
結構なボリュームを占めているのです。
そしてお花の技術面では、
さらにワンランク上のお花を作り上げていくための感性を育む、的な? ←急にざっくり。笑
特にオットが通う学校『Staatliche Fachschule für Blumenkunst Weihenstephan』は
(話がややこしくなるのですが)ほかのドイツのフローリストマイスター学校とは少し異なり、
学校名にBlumen(=花)kunst(=芸術)という言葉が入っています。
このkunst(=芸術)の部分がオットの学校の大きな特長で、
ほかの学校と比べてもさらに、感性を育む点に力が注がれているのかもしれません。
私(ツマ)もドイツに来るまで詳しいことが分かっていなかったのですが、
実際に学校へ通うオットを間近で見ながら、
なるほど~ちょっと芸大っぽいことやるのね~と理解を深めていく毎日です。
※ 日本を含めた外国育ちの場合は学校制度がドイツとは異なるため、マイスター学校に進学するにあたってBerufsschuleやAusbildungを経ているとは限りませんが、その場合は同等の実務経験が必要です
※ 『Staatliche Fachschule für Blumenkunst Weihenstephan』と別のフローリストマイスター学校では、修学年限・国立私立・卒業時に得られる称号などそれぞれ特徴が異なります。そのため、別のマイスター学校ではまた別のカリキュラム体系になっているかもしれません
さて。
その「感性を育む」という授業から、面白かったものをひとつご紹介します。
随分前の話ですが、所用でオットが通う学校へ行った時のこと。
廊下にカラフルな紙が飾られていました(冒頭の写真)。
それは「Farb- und Formgestaltung(色彩・造形学)」
という授業で作ったものだそうです。
クラスのみんなの名前が入った箱からくじを引き、担当を決定
↓
誰が誰の名前のくじを引いたかは秘密にしておく
↓
それぞれ、担当になったクラスメイトをイメージして紙に色を染め上げていく
この時、色だけではなく、染め方(手法)もそのクラスメイトのイメージに合うように
↓
すべて完成した後に、誰が誰をイメージしていたのかを発表!
そんな流れで作っていったのだそうですが、
お花を真っ正面にとらえて学ぶだけの学校では
こういう自由な発想で色や形を楽しむ授業はなかなかないだろうなと思うので、
私にも「幼稚園のようで(おっと失礼…)楽しそう!!」と印象的に映りました。
そして、もうひとつ印象的だったのが
クラスメイト(ドイツ人女性)がイメージして描いたオット。
この↑ 真ん中のものだったのですが、
意外っ!!
地味~!! 暗い~!!
ドイツ語がつたないオットは、同級生たちにとっては静かな印象なのでしょうね。
日本語だったら、そんなことありません!!
むしろ、陽気に、ルンルンしているキャラなので…
日本人が思い描くオットの印象だと、もっと暖色のポップなイメージになりそう。笑
ブーケの作り方やクランツの作り方などお花の技術を学ぶだけではない、
『Staatliche Fachschule für Blumenkunst Weihenstephan』の “感性を磨く授業”。
これからも少しずつご紹介していこうと思います。
次のご紹介がいつになるかは分からないけど…、乞うご期待!
今日も遊びに来て下さってDanke schön!!
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