身近にドイツの歴史を感じる「つまずきの石」。
先日から大学の後輩がミュンヘンに遊びに来てくれていて、
今日はオットとダッハウの強制収容所跡へお出かけしています。
ツマはお留守番してこのブログを書いているのですが…、
ダッハウともつながりのあるドイツの負の歴史に関することをひとつご紹介します。
何気なく暮らしているドイツの街で、ふと足元に目を向けると、
こんなプレートを見つけることがあります。
これは、「Stolpersteine(つまずきの石)」と呼ばれるもの。
ケルン在住の彫刻家グンター・デムニッヒ(Gunter Demnig)氏が1993年にはじめたプロジェクトで、
ナチス・ドイツの犠牲となった方々と、その歴史を風化させないために設けられました。
犠牲となった方が当時住んでいた場所にこの石が設置されており、
その方のお名前や生まれた年、そしてどこでいつ殺害されたのかなどが刻まれています。
このプロジェクトをはじめたグンター・デムニッヒ氏によると、
それまでにも、ナチズムの歴史を風化させないために大きな記念碑は建てられていたものの、
それだけでは日常生活の中で常に記憶を維持していくことは難しいのではないかと考え、
彼らが実際に住んでいた場所に「つまずきの石」を設置することを思い付いたのだそう。
石ごとにスポンサー(個人、団体ともに可)がついていて、その石に責任をもつことになっています。
今はドイツ各地に設置されている「つまずきの石」も、
公道(歩道)に設置するため公的な許可が必要で、
プロジェクトがはじまったばかりの頃はさまざまな困難があったそうです。
私(ツマ)はこの石の存在をドイツで暮らすようになって、
池上彰さんの番組を見ていて初めて知りました。
実際に犠牲になった方の数は
この「つまずきの石」の数とは比較にならないほど多いと思うのですが、
番組で知ってから街を歩く時ちょっと注意をして見ていたら、
フライジングにも色んな所にこの石が埋めてあったのです。
この街にも、ナチズムの犠牲になった方がこんなにたくさんいるのかと改めて感じます。
もしよかったら街を歩くとき、少し足元に注意しながら歩いてみませんか?
今暮らしている身近な場所だからこそ、
感じられるものがあるかもしれません。
今日も遊びに来て下さってDanke schön!!
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